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既存(中古)住宅市場について

 表題は「旧あいおい損保」の時代から送って頂いている『AD倶楽部ビジネスゲートウェイ』のメールマガジンにあった文章の題名です。今年も今月で終わり、来月からは新しい年を迎えますが、我々建設、不動産業界は、激動の変革時期に入っています。数年前から公共投資に対する風当たりが強くなり、また民主党政権になって「コンクリートから人へ」の基本政策もあって、我々建設業の業績は各社とも崖を転げ落ちるように下降線の一途になっています。そんな中KONOIKEは請負業からメーカーへと事業内容を変革させてまいりました。『賃貸マンションを経営する』事業に経営資源を集中し、ここ数年業績も向上して来ましたが、新築でないリニューアル事業を今期から立ち上げています。これは時代の流れを感じて、新築住宅市場から既存住宅(中古住宅)市場のウエイトを増して行く方向性へ舵を切ったということです。今回は、この考え方を深く、良く示唆している内容のメルマガでしたので、ここに抜粋して紹介させて頂きます。
 《 なぜ既存住宅(以後は中古住宅)市場の拡大が濃厚か? まず住宅を購入する消費者の人口減です。平成19年の1億2777万人をピークに平成20年、21年と人口は減少しており、今後もこの傾向はさらに加速していくものと考えられます。人口が減っていくのですから、当然新築住宅の需要は減少します。 次に挙げられるのは、国として既にある中古住宅を有効活用するため、これまでの新築重視から、中古住宅流通の拡大へと、住宅政策の重点が移り始めたことです。現在の、住宅市場の主力事業者である新築供給を行う会社への配慮から、国土交通省として中古住宅対応施策の拡大を、声高にアピールしていませんが、今年度初めて実施され、来年度も類似した形で継続実施されることが確実な補助事業、中古住宅流通等活性化事業が、国交省の意思を明確に表しています。この国交省の意思は、政府の意思を受けたものです。政府は昨年これからの重点施策分野の方向性を示すものとしてまとめた新成長戦略の中で、これから10年後の平成32年までに中古住宅、リフォーム市場を現在の倍に拡大させる方針を決めているからです。 そして最後に挙げられるのが、国内の経済環境がもたらす国民一人一人の所得傾向の先行きです。かつてのように右肩上がりにGDPが伸びていた時代は、企業における年功序列型の賃金体系がしっかりと機能しており、30歳40歳といったサラリーマンは、将来の賃金の伸びを見越して住宅ローンを借りることが出来ました。しかし、既に日本経済の伸びしろはほとんどなくなり、賃金の定期昇給を社員に約束できる企業の数は激減しています。こうなると将来に収入が増えるかどうか心配になり、購買者の心理として、大きな借金を抱えるより安い中古住宅を買おうかとなります。つまり作り手としてどれほどよい新築を作っても、自分にとっては高すぎると感じ、買うことが出来ない人が増えて来るのです。この傾向はすでに昨年から始まっています。大手ハウスメーカーの高い価格の家が売れず、ローコストの住宅販売が好調なのはこういった変化が背景になっています。 》  
このように変化する市場にどうしたら対応できるか次のように述べられています。ここからは既存住宅市場をリニューアル事業に置き換えます。
《 まず決めなければいけないのは、自社が5年後10年後の売上高としてリニューアル事業をどれくらいの割合で構成するかといった目標を立てることです。この構造改革は現在の新築をベースとしつつ、少しずつリニューアル事業の割合を高めていく手法が現実的でしょう。次に行いたいのがリニューアル事業拡大の基盤づくりです。真っ先に確保しなければいけないのが、これまでに新築を供給したOB客たちです。定期点検を行ったらこれからの劣化が始まる次期と、その費用の目安をOB客に示せばリニューアル事業のお客様として囲い込むことが出来ます。そしてさらに、その費用の修繕積立制度を金融機関と連携しておけば需要創出をなお確実にしていきます。リニューアル事業は構造体までいじる大型リフォームでもない限り、新築と違い一件あたりの受注額が低くなりますから、数をこなさなければなりません。そのためには地元に張り付き移動時間を取らない近場で行うのが効率的です。リニューアル事業のライバルは大手ハウスメーカーでなく地元の工務店になります。こう考えるとリニューアル事業は先に地元エリア内の住民の信頼と実績を勝ち得た企業が有利になるだろうと言えます。 今はまだ新築一本で成り立っている企業もあるでしょう。しかしもうすぐそれが成り立たない時代がそこまで迫っています。アリとキリギリスの寓話のように、毎日少しずつでもリニューアル事業に取り組んだところが、いざ加速度的に新築需要が減少した時に生き残れることは言うまでもないでしょう。 》 
 今月12月15日に、ここ浜松では初めて賃貸住宅フェアが開催されます。このフェアに参加する企業も新築よりリニューアル事業の出店業者が多いと聞いています。私も今回の賃貸住宅フェアに、セミナーの講師の形で出演しますが、時代の流れをよく見て、これからの世の中に、少しでも役立つ事業を模索して行きたいと思っています。

素晴らしい未だ見ぬKONOIKEに会う為に今頑張ります