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緊急事態こそ操縦を続けよ

 表題はこのコラムで何回か紹介させて頂いた「えんしん経営者クラブ」から送られてきた「えんしんマンスリーインフォメーション」の4月号にあった題名『レスキューマネジメント』の副題です。未だ先が見えない東日本大震災の復旧復興ですが、一日でも早くその方向性が示され、被災された方達の将来への不安を取り除き、希望が持てるようにしたいと、日本中が懇願している今日ですが、送られてきたこの文章を読んで今一度リーダーの一人として肝に銘じた内容でした。皆さんにも読んで頂きたく時間の経過を加味し少し数字を変えてここに紹介します。
 《 「祈りは人間が生み出しうる、最も強力なエネルギーである。」ノーベル生理学・医学賞を受賞したフランスの生物学者、アレキス・カレルは言う。今、日本国民、また全世界の人々が、多くの行方不明者が無事生還される奇跡を祈り、心ならずも被災された方々が立ち直れんことを強く信じている。私達にできる支援は限りがある。義援金や物品の緊急援助、あとは神仏に祈ることしか出来ないのも確かだ。しかし、祈りは強力に被災者を後押しする。最悪なのは、私達が希望を捨て、絶望することだ。希望を失うということは、すべてを失うことである。
 宮城・三陸沖で発生した「東日本大地震」は、世界最大級のマグニチュード9.0を記録し死者・行方不明者が2,5万人にも迫ろうとしている。風光明媚な東北地方の街並みは、津波によって空襲の焼け跡のごとく破壊された。自宅や会社、町そのものまで流されるという空前絶後の壊滅的事態。天文学的とも言うべき甚大な被害が想定される現実に、筆を進めることへ躊躇を覚えざるを得ない。
 ともかく、今回の巨大地震は国内企業の経済活動に多大な影響を与えたことは必須の情勢だ。特に東日本に生産拠点がある製造会社は深刻である。部品調達が不可能なことやライフラインの途絶に伴い、相次いで操業停止を決定。さらに生産設備の損傷や社屋損壊など被害も次々と明らかになっている。この危機的事態の中、経営者は雇用を守り、顧客を救い、地域復興に貢献して行く義務がある。企業は災害リスクの塊であり、リスクの上で寝泊まりするのが経営者だ。茫然自失のまま、下を向き続けるわけにはいかない。経営を脅かす緊急事態から社員、顧客、社会を救う危機管理経営、すなわち「レスキューマネジメント」が大きく問われている。
 三菱重工のホームページに、同社の航空宇宙事業本部で航空機飛行試験を担当しているパイロットが「緊急事態発生時の三つの原則」を紹介している。それによると、緊急事態が発生した際の対応原則は、「飛行機の操縦を続けなさい」「状況を正確に判断して、適切な手段をとりなさい」「出来るだけ早く、着陸しなさい」の三つだという。(三菱重工ホームページ「パイロットの話」)経営者は困難な時こそ、経営のコックピットで操縦を続け、適切に判断し、被害を最小限に抑えて軟着陸させねばなるまい。
 「たとえ明日、世界が滅びようとも、私はリンゴの木を植える。」16世紀の宗教改革を指導したドイツの神学者、マルティン・ルターの言葉とされる。経営者は、たとえ明日に絶望的な状況が想定されていようとも、希望を植える手を休めてはならない。トップが打ちひしがれてしまっては、いったい誰が操縦桿を握り、社員に希望を与えられるというのか。経営を生還させられるのは、あなたしかいないのだ。 》
 
そのとおりです。経営者は、どんなに困難な時でも「社訓」「経営理念」「経営方針」そして、それを踏まえて、社業の発展のために命をかけて邁進しなければなりません。今回の大震災に遭い大変な状況を克服しようとしている経営者の皆さんに敬意を表すると共に、私も負けずにレスキューマネジメントを肝に銘じ邁進することを誓います。

素晴らしい未だ見ぬKONOIKEに会う為に今頑張ります