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経営者の仕事は、跳ぶことにある


『 経営者の仕事は、跳ぶことにある 』 

平成2541

KONOIKE co.(株)代表取締役社長 宇都晴美

 
 表題はプレジデントの4・15号の経営時論の中にあった言葉です。
『どうすれば会社は持続的に成長出来るか』がタイトルです。
筆者は
流通科学大学学長の『石井淳蔵先生』です。マーケティング理論の専門家でもあり、経営論の先達として有名です。
4月に入り今期後半戦の始まりに当たり、この石井先生の文章を、私自身何度も読み返すとともに、是非とも皆さんにも読んで頂きたく、ここに抜粋し紹介します。

 《 人はいつも現実の延長線上に物事を考える習性を持っている。昨日あったように今日があるし、今日あったように明日がある(はず)と考えるのは、
生きる知恵でもある。
しかし組織の経営者がそんなふうに考えていては、その組織は持たない。今この原稿を書いているこの書斎のドアを開けると、想像もできない世界が広がっているかもしれないと、常々気に留めていないといけない。
昔、超優良会社の松下電工(現パナソ二ック)を長きにわたって率いた三好俊夫会長は
「経営者は、跳ばないといけない」と言われた。自社の置かれた状況や自社の持っている資源を厳密に精査して、それでもって戦略を導き出すやり方は、
誰にもわかりやすい納得のいくやり方だ。客観的、科学的、分析的、論理的だ。戦略論の教科書にもそうすべきと書いてある。
だが、実際は「それだけでは企業は長きにわたって持つものではない」と三好氏は言われる。状況を客観的に分析し、それを前提として論理的に戦略を構築する。
そのやり方を、三好氏は
強み伝いの経営と呼んだ。強み伝いの経営は、客観的で論理的なので、誰も反対できない力を持つ。組織の中でも、その提案に対して反対も少ないだろう。
だが、三好氏に言わせると
「そのやり方で会社を経営していると、いつの間にか、業界や時代の潮流に取り残されてしまう。会社が変化する速さよりも業界や時代の変化する速さの方が速い」と言うのだ。
強み伝いの経営は、誰がやってもあまり変わることのない経営であり、その意味では管理者でもできる経営である。管理者による経営を避けるためにこそ、経営者がいるのだというのが、三好氏の考えだ。それが「経営者の仕事は、跳ぶことにある」という主張につながる。
では
「跳ぶ」とは、どういうことか。なんでもいいから跳んでみろというのでは、部下も組織もついてはこない。自身で確信を持ち、人に説得出来るような未来像を持って跳ばないといけない。まだ誰もやってないし、その像が妥当だという証拠もない。そんな状況で確信を持ち他人を説得することがはたして可能なのか。
分かりやすい話としてスキーの話をする。スキーはボーゲンから始まってシュテム、パラレルへと上達する。それぞれスキー法は違うので習得するにはそれなりに時間がかかる。パラレルであれば「膝を使う」とか「体重移動で自然に曲がる」ことが助言される。だがパラレルをやったことの無い人には、言葉の意味は分かってもそれが体の動作には結び付かない。しかしいったんパラレルが出来るようになると、アドバイスの意味が全て分かるようになる。それまで聞いた様々なアドバイスが有機的に繋がり、秩序を持った知識となる。この種の経験は皆さんどこかでされたことと思う。
初めて
10メートル泳げた時、小学生で初めて自転車に乗れた時など、それまでどうしても出来なかったことがある瞬間出来るようになる。
そこで初めて今まで教えられ会得した知識が形成される。
身体活動の世界が判り易いのでその話をしたが、同じような事がアタマで考える観念の世界でもおこりうる。なぜかしら、ある観念がひらめく。ひらめいた瞬間を境にこれまでアタマの中が錯綜し混乱していたものが、きれいに整理される。整理されたものを他人にも説明できる。
マイケル・ポランニーのいう
暗黙知の次元の話と同じだ。ポランニーは「それとわからないうちに(暗黙のうちに)認識できてしまう」という知の次元があることを強調した。その事例でアインシュタインがなんの証拠もない段階で相対性理論と後で呼ばれる「観念の秩序ある全体像」をイメージ出来たことを述べる。
発見の中身はいろいろ違っても、スキーのパラレルの発見と創造的瞬間であることには変わりない。どうしてパラレルが出来るようになったのか。どうして相対性理論を思いついたのか。それはわからない。経験した当人にも分からないのだから誰にもわからない。
けれど創造的瞬間を経ることで、人は確信を持って跳ぶことはできるし、人や組織を説得する意欲も根拠も生まれて来る。  》

 私は目覚め、確信しています。どんなことでも、もっと深く、もっとのめりこんで行けば、絶対に何か新しいことが見つけられると。
この
本気でぶつかって行くことが出来るか、どうか、が結果的にはその人の、その道での才能と呼ばれるものなのでしょう。

 さあ今から第10期後半に向けて、全員で、真剣に、本気で、元気よく、より早く、より深く、楽しく進んで行きましょう。

 

      『 素晴らしい未だ見ぬKONOIKEに会う為に今頑張ります。 』  以上