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新たな住宅セーフティネット制度 説明会 その1

7月19日に名古屋の会場にて「新たな住宅セーフティネット制度」説明会を受講してきました。

現時点では、まだ未確定の要素も多く、パブリックコメントを経て、各地方公共団体の取り組みの進捗と合わせ、平成29年10月25日に「住宅セーフティネット法改正法」が施行される予定です。

65歳以上の高齢者世帯は1980年の88万世帯から2015年には601万世帯、2025年には701万世帯へと大幅に増加する見込みがあるそうです。
とりわけ民間賃貸住宅の大家の中には、単身の高齢者の入居には拒否感が強いようです。
もはや公営住宅の大幅な増加は見込めない中、住宅確保要配慮者(低額所得者、被災者、高齢者、障がい者、子育て世帯、新婚世帯、等々)に対し民間の空き家、空室をマッチングして行こう、というのが今回の行政の主旨です。

主に、①住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度、②登録住宅の改修や入居者への経済的支援、③住宅確保要配慮者の居住支援、の3つから成り立っています。

そして登録住宅の改修への支援、入居者負担の軽減などが盛り込まれています。

気になる補助対象工事は
①間取り変更工事
②耐震改修工事
③バリアフリー改修工事
④居住のために最低限必要と認められた工事
⑤居住支援協議会等が必要と認める改修工事
⑥共同居住用住宅に用途変更するための改修工事
※上記工事に係る調査設計計画(インスペクションも含む)も対象とのことです。

⑤の居住支援協議会等が必要と認める改修工事については、後日示されるとのことでした。
想定されるのは、車いす対応台所の設置等です。ただし、太陽光パネル、エアコン等は対象外です。

わかりにくい点があったので、講義が終わったあと直接国土交通省の講師の方に以下を質問させていただきました。

「③に関して、エレベーター設置工事は含まれるとのことですが、エレベーター改修工事も含まれますか?
→『事前に議論になった点だが、、、現時点では、はっきりお答えできない』

「①の間取り変更に伴うキッチン等の住宅設備の交換工事は補助対象ですか?」
→『対象外です』

「家賃水準(国による直接補助の場合の上限家賃)が浜松市は49,300円、静岡市は54,500円と低い設定ですが、ファミリー世帯でも設定は同じでしょうか?」
→『同じです。基本的には単身層を想定しているものです。』

というお答えをいただきました。
頂いた資料には、募集家賃については、
『国と地方公共団体による補助の場合は、近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しない額であること』、との設定もあるので、今後の情報の確認が必要です。

仮にエレベーターの改修工事が対象となればかなりの補助金の額になると思われます。
例えば12戸の寮を共同居住用住宅に変更し間取り変更を伴う改修工事をすれば、単純に1,200万円の補助額になる想定です。※補助額に1棟当たりの上限は無いとのこと。
また、特にシェアハウスへ用途変更する場合も補助が手厚い印象を受けました。
(※国の補助対象改修工事に対する補助金は、戸当たり50万円になるようです。間取変更工事、耐震改修工事のいずれかを含む場合は戸当たり100万円が補助されます。)

ネックは本事業に登録をした場合、住宅確保要配慮者専用の住宅として、10年以上管理をすることが条件になります(ただし住宅確保要配慮者の範囲を限定することは可能)。

住宅の登録基準は、床面積が25㎡以上、耐震性を有すること、などが要件です。

以前の、「ストック活用型住宅セーフティネット整備推進事業」や「民間住宅活用型住宅セーフティネット整備推進事業」に比べ、今回の法改正は、住宅確保困窮者に対しての国の取り組み度、本気度がずいぶん違う、という印象を受けました。

いづれにしても、せっかくの国の施策です。有意義に利用できれば良いですね。


※国土交通省HP資料より抜粋